日経新聞で職探すシニア 10年で2.2倍になっているという記事を読んだ。
ちょうど今日散歩しながら、お父さんとお母さんが65歳を超えているのによく働くな〜といろいろ考えながら散歩していたのでタイムリーな記事だ。
このシニアの労働環境については色々と思うところがある。
働きたくて働いているのか、生きるために働いているのか
まずはこのどちらかなのかによって、自分自身の考え方や捉え方が大きく変わってくる。
定年退職したあとも年金受給開始の65歳まで働き続ける人の中には、働きたくて働いている人と働きたくないけど生きるために働かないと行けない人の二パターンいると思う。
夫婦ふたりの生活費が月30万だとして、年間360万
60歳から65歳までの5年間で1800万の金額が生きるために必要になってくる。結構な金額だ。この1800万の資産がない人は何かしらの収入を得る必要がある。収入がないと生きていられないし。多くの日本人はこの1800万の資産がないと思う。
世代別の金融資産データがテレビやネットでよく流れてくる。
それを見ていても日本人の多くが現役期間に1800万の資産を蓄えるのが難しいと想像がつく。なので世の中の多くのシニア世代は60歳で定年退職して退職金と年金で老後はゆったり第二の人生を謳歌する!と現役のときは思っていたがいざ定年退職の時期に差し掛かると現実は理想とはかけ離れていてまだまだ働かないと行けない現実が突きつけられてるんじゃないかな。
60歳代の貯蓄額中央値は600万
60歳代の貯蓄額中央値は600万らしい。相当低い。。。中央値が600万なので、当然それ以上多く資産を持っている人もその逆に資産が全くない人もいると思うけど中央値が600万って結構やばい気がする。
仮に夫婦ふたりで月に10万の生活費でやりくりしても5年しかもたない。
現実問題月10万で生活するのは多分現実的じゃない人も多いと思うから、老後の生活資金としては心もとなさすぎる。
この程度の金融資産しかないと、定年退職して第二の人生を謳歌するなんて夢のまた夢で毎月の生活費を稼ぐために働かないといけなくなる。年金がもらえるようになっても、恐らく取り崩す資産がないので年金だけでは暮らして行けずに働く必要が出てくる高齢者も多いんじゃないかな。
生きるために働かないといけない現実って高齢者にとっては厳しいよね・・・
生きていくためにお金が必要だから稼がないと行けないのは当然だけど、高齢者にとってはこの現実ってすっごい厳しい現実だし悲しい現実だと思う。
まず職業選択の選択肢が圧倒的に少なくなる。
現役のときは綺麗なオフィスで寒くもなく暑くもない快適な環境でデスクワークをしていた人も70歳のときに同じ環境で働ける確率はかなり下がると思う。
企業からしてもデスクワークの仕事は若者にも人気だから敢えて高齢者を採用する必要がないし。
そうなると、働き先としてはスーパーや飲食店などの小売業か警備とか清掃とかそういった類いの仕事になってくる。そういった仕事も素晴らしいし、全然いいんだけど高齢者にとってはそういった仕事に飛び込むには勇気が必要だったりすると思う。
体力的な問題が高齢者にはつきまとってくるし。
小売業とか警備業だとどうしても立ち仕事になってくる。それだけでも疲れるのに、職場によっては環境に大きく左右されて暑かったり寒い職場もあると思う。そうなると、若者でさえつかれるし大変なのに体力が衰えていく高齢者からすると余計に大変な気がする。
それに、そういった職場で働いて疲れて免疫が落ちて風邪を引いたり体調を崩すと復帰するまでに時間がかかりその期間働けずに収入が減ったりする。
思い描いていた老後と現実が違い過ぎて病んでしまいそう
こういった働く職場環境と体力的な問題に加えて、精神的な問題もあると思う。
多くの人が日本の一括採用、定年退職という特殊な慣習になれていてそれが当然という考えが頭にある。そうなると、働き始めのときは「定年退職したら世界一周旅行にいく」「定年退職したら、家庭菜園する」とか各々様々な老後生活を描いていたけど、
いざ65歳になると
毎日パートに出ているからそもそも時間ないし
世界一周旅行に行く余裕なんてない
そもそも世界一周じゃなくても、海外旅行や国内旅行に行く余裕すらない。
年金と退職金で生活していこうと思っていたけど、
貯蓄もないし年金だけでは生活できないしまだまだ働かないと行けない。
しかも、働き口も限られている。
体に無理が効かなくなっているのに現役のときよりも過酷な労働環境で働かないと行けない。
おれの私の人生ってなんだったんだろう、第二の人生ってどこ行ったんだろう。。。
って当初思い描いていた理想と現実とのGapにメンタルがやられたり絶望してしまう気がする。
もし自分がそうなってしまったら、すっごい色々後悔するし残された人生に希望を見いだせなくなって生きているのがつまらなくなってしまいそうな気がする。
甲斐性のために働いているシニア層は輝いていそう
生きるためのお金を稼ぐために働かずに、趣味の延長線上や社会とのつながりを保つため、甲斐性のために働く!などお金が第一目的ではない理由で働いている人は高齢者でも輝いているように見えるし多分見た目とか肉体年齢的にも若いと思うんだよな〜。
定年退職して、資産的にも余裕があるし、時間的にも余裕がある。
だけど、家にこもってばかりだとボケてしまいそうだし暇で人生に張りがでない。だから働こうって考えで働けるのが理想だと思う。
働く必要はないけど、働くことを選択している。
これができる人とそうでない人の幸福度は大きく違いそう。
働くことを選択できる老後になれるようにしていきたい。