タクシー業界×特定技能

日経新聞でタクシー業界の人材不足解消のために、運送業界も特定技能の業界に入れて外国人労働者も働けるようにして人材獲得を目指す。という記事が上がっていた。そのために、資格試験を20の言語に翻訳して用意するらしい。

今日はタクシー業界の人材不足について考えてみる。
まず、タクシーそのものについてだけどコロナで在宅勤務になってからタクシーに乗る機会がほぼ減ったけどその前はかなりの頻度でタクシーに乗っていた。電車で10分くらいの距離でも場合によってはタクシー捕まえてたし、飲み会の帰りは電車がまだ動いていてもタクシーで帰っていた。自宅が中心地にあるので、タクシーのほうが便利だし金額もそこまでかからなかったのが大きい。東京みたいに飲んだあと自宅までタクシーで帰ると5,000円するとかだったらたまにしかのらないかもだけど。当時思っていたのは、時間帯によっては捕まえるのが苦労するし、目的地を伝えるのもめんどくさいな〜とかそんなことを思っていた。週末の夜とかタクシーほぼ捕まらなかったり、運転手が新人とかその土地に詳しくない方だと目的地伝えても住所とか電話番号教えてあげないと道が分からなかったり多少なりきめんどくささを感じていた。

それが最近はタクシー配車アプリが浸透してきて、流しでタクシーを捕まえる必要もないし配車アプリを使えば目的地も伝える必要ないし支払いもそれで済んでしまう。
スマホで予約してあとは待つだけで初めて配車アプリを利用したときはすっごいびっくりした。”今すぐ”乗りたいときは配車アプリでタクシー待つよりも流しで乗ったほうが早いかもしれないけど、ちょっと中心地から離れている場所とかだとすっごい便利だった印象がある。

タクシーにそこそこの頻度で乗ってきた身からすると、タクシー業界の人材不足については感じる部分がある。
タクシーに乗ると、高確率で運転手は高齢者。高齢者って就職活動においては弱者でなかなか採用されづらい。そんな高齢者がたくさん働いているということは、本当に人材不足なんだろうなって実感する。採用ニーズがあって求人をかけた時に、若年層からの応募がなく高齢者まで採用ターゲットを広げるしかないってのが現状なんだと思う。若年層からの応募が少ない理由はタクシー業界のイメージとか労働環境があるんだろうなって思う。まずイメージでいうと、古臭いイメージを持たれていそう。決して若者が働きたい職場ではない気がする。

車両が高級外車とか最新の日本車とかだったら、タクシーのイメージももう少しよくなると思うけど実際にのる車は社内がタバコ臭かったり、古い車種だったりするケースも多い。加えてそれを運転しているのが高齢者ということで、最先端!というイメージは持たれづらいし古いイメージのほうが強くなってそう。それに加えて、長時間労働だったり稼ぎづらいみたいな印象もあるし若者が働きたいって思った時になかなか就労先として想起されにくいんだろうな〜って思う。それに資格もいるから、若者から応募があっても資格ないし、資格を取得してまで働きたいと思わない若者が多いだろうし。

そんな状況を解決するために、外国人採用を推進するって記事内容だったけど本当にうまくいくのか?って少し疑問。
そもそも外国人が資格取得するハードル凄い高そうだし、日本語が堪能かどうかという語学の問題もそうだし日本の交通ルールも覚え直さないと行けない。免許を取るくらいだったらすぐできるだろうけど、免許取るよりも資格取得のほうが厳格だろうし。運転技術そのものは、外国人だろうと日本人だろうとかわらないと思うけど資格取得とかそういった面でのハードルが高くて特定技能対象になったとしても働きたいって思う外国人がどれだけいるのか疑問に思う。

企業としても外国人を採用するハードルが他の業界に比べて高そうな気がする。
建築・土木業界とか介護業界も技能実習生を受け入れているけど、それらの業界ですら外国人採用に苦戦している企業が多いと思う。しかもタクシー業界でいうとそれらの業界と決定的に違うのが、1人で業務を行う点だと思う。建築、土木とかは現場作業で複数人で作業するし、介護業界も施設や病院ないで複数人で勤務するし、コンビニなどのサービス業は店舗内で複数人で作業するけどタクシーの場合は車内で1人で業務を行う。この違いはすごく大きい気がする。外国人労働者からしても、同じ職場に外国人がたくさんいても実際に働くときは1人だと心細いと思う。コンビニとかってコミュニケーションが取りやすいように、なるべくシフトを同じ国籍の従業員で固めたりしているって聞いたことあるし、1人で寂しく相談もできない、ましてや母国語じゃない言語でサービス提供しないと行けない状況ってかなり酷だし大変だと思う。

それに企業の視点で見ても、1人で業務するってことは肝心な業務中に隣で指示・監督・サポートができないってこと。
そうなると、日本人と外国人で価値観の違いから悪気ないけどトラブルに発展しそうな時とかにサポートできる人がいないってこと。同じ現場でみんな働いていれば、目の届くところにいて困った時はサポートして挙げられるし注意しないと行けないときはすぐに注意ができる。ただタクシーだとそうはいかない。それを解決するためにドライブレコーダーとか音声を録画・録音して車内での接客を振り返ってサービス向上の研修につなげるとかはありえそうだけど、ただでさえ人材不足なのにそこの教育に時間やお金などを費やせるか疑問。

サービスを受けるユーザーからしても、まだ外国人のドライバーは怖い。という偏見ももしかしたらあるかもしれない。
そういった偏見でユーザーが減る可能性もある。そう考えるとリスクはたくさんあるから企業も外国人採用に振り切るって判断はなかなか難しそうだなって感じる
ただ難しいからこそ、そこに踏み切って社内の精度とか仕組みを整えた企業は強いと思う。
外国人労働者の社内研修制度とか、社員寮を用意したり日本の生活に困った時の相談窓口を作ったりなどの受け入れ態勢の構築とかだれもやっていないときに手をつければ先行者利益が得られるから美味しいと思う。2023/12/11


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